こんにちは。ドメです。
どんな話を書こうかなと毎度悩むわけですが、今日はエノキダケマイクの話でも。



エノキダケマイクといえば、名プロデューサー佐久間正英氏が世に広めたバックエレクトリック型のコンデンサマイクでもある。いろいろなネット情報を総合すると、携帯電話に取り付けられたマイクの性能の良さに驚いてそのマイクを使ったマイクを使って開発されたとのこと。(信ぴょう性薄くてすいません)
弟子のエンジニアの方が完成したそれを見て、"エノキダケみたい。"ってことで俗称エノキダケマイクとなったんだとか。



実は何度か佐久間さんにお会いする機会があってエノキダケマイクを見せてもらったことがありました。
確か早川義夫さんのライブで佐久間さんがギターを弾いていた時だったと思います。
機材を片付けている最中に足元に何気なく置かれたエノキダケマイクを見せてくださり、
「ドメ、これがエノキダケマイクだよ。小さいでしょー。」と。
その時はさほどマイクというものに(というかレコーディング)興味の方向性が向いていなかったので、これがエノキダケマイクか。ぐらいにしか思わなかったのですが、佐久間さんが亡くなった後にとても興味が湧いて自分でも作って使ってみた。という経緯があります。


知人のライブの録音にも持って行き、いろいろと使っていますが、その場の臨場感が丸っと録音できるので評判も上々です。



IMG_5328


色々とコンデンサマイクの種類はあるのですが、panasonicのWM-61Aがいいとのネット情報を聞いたので秋葉原に走り購入。
でもこの型番のマイクも生産中止で代換品に変わられるようです。


必要な材料はステレオミニプラグとWM-61A(もしくはそれと同等のもの)。
材料費は300円ぐらいなので格安です。



IMG_5320




このマイクの大変なのは半田付け。
プラグの先端を切り落としたら、被覆を向いてプラスとマイナスを予備半田。





IMG_5353



これはギターケーブルで作った時の画像。
線がとても太いですが、2mmぐらいのところに半田付けします。
接地面よりもケーブルの芯線が太かったりしますが、試行錯誤して取り付けます。
もちろんプラスとマイナスが接触してはいけません。



IMG_5352


ギターケーブルでやるとめちゃくちゃ太いですがこんな感じでしょうか。




IMG_5322



これは熱収縮チューブをはめこんで根元の部分を保護しようとした時のやつ。
半田でつけたところは強度が弱いのでグルーガン(ホットボンド)なんかで固定してやるといいです。






さていざ録音してみよう!というわけなんですが、コンデンサマイクなので電源が入ります。
電気のことはよくわかっていないのですが、プラグインパワーと呼ばれる(winのPCなんかだとついていることが多い)タイプのinputがついているレコーダーとかじゃないと使えないようです。
プラグインパワーっていうぐらいだからプラグから電源供給するタイプのやつです。




レコーダーに付属のマイクもステレオ仕様とか角度がどうだこうだと書いていますが、はっきり言ってそんな付属のマイクを使うよりも断然いい音で録音できます。












まずはこれが付属のマイクで録音したもの。














次にこれがエノキダケマイクで録音したもの。
マイクの置く位置で音が変わるので正確な比較にはなりませんが、臨場感みたいなものが違うような気がしませんか?




なんでこんなにすごいのか?と色々と調べてみたんですけど、このエノキダケマイクのマイク部分の周波数特性に秘密があるようです。(個人的見解です。)


39


これwm-61Aの仕様書のキャプチャなんですけど、周波数範囲20-16,000Hzって書いてあります。
人間の耳で聴こえる範囲が20-15,000Hz〜20,000Hzと言われているので(この情報はwikipedia)
マイクの拾える周波数がわりと人間の耳に近い範囲という結果。




もう一つは右上の青いグラフ。周波数特性。
ほとんどフラットですね。つまりマイクとしての癖が非常に少ない。
低音強調とか高音強調とかそういうのではなく、わりと平等にどの周波数も伝えるマイクのようです。
癖のないのが癖とも言えますが、フラットだからこそナチュラルな音に向いているともいえます。

















方向性は無指向性です。一度、自分の耳に部分にこのマイクを仕込んで紙をぐしゃぐしゃしたものを録音してみました。効果をわかりやすくするためにイヤホンかヘッドホンで上記の音を聞いてみてください。

後ろからの音は耳たぶでカバーされていますが、耳で聞いた音に近くて逆に気持ち悪い感じ(笑)
無指向なので全方位からの音を拾います。





エノキダケマイクおそるべし。
今だからこそ、このエノキダケマイクネタで佐久間さんと話しがしたいなぁと思うのでした。
それでは。




2017/07/19追記
どこで買えるの?という話もちらほら聞くのですが、部品代や手間や加工を考えると安価な価格ではとても割に合わないような気がするのです。(人件費の安い工場とかで作れば話は別かもですが)
たまに売っていてもすごく高いようです。やっぱり自分で作ったほうが安い。
だけど、初心者にとっては半田ごて揃えたり、秋葉原が近くない人もいるしと難しい人もいる。
そんなわけで、見た目的にはあまり綺麗でないんですが、必要な方に販売させていただくことにしました。送料入れて4,000円です。
これに見た目を綺麗にするためのパーツを増やしたり、線材やプラグを高級なものにするととてもお高いマイクになってしまいますし最初のコンセプト(安くお手軽に使える)から大きく外れていきそうなので、しばらくは秋葉原のパーツ屋で買ってきたものを手工業的に作成したものを販売という形にさせていただきます。
販売は下記リンクよりです。
https://yasu148.stores.jp/
スポンサードリンク